ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『執着チョコレート』葵居ゆゆ(表紙イラスト:カワイチハル)

 

執着チョコレート (リンクスロマンス)

執着チョコレート (リンクスロマンス)

 

高校生の頃の事故が原因で記憶喪失となった在澤啓杜は、ショコラティエとして小さな店を営んでいた。そんなある日、店に長身で目を惹く容姿の高宮雅悠という男が現れる。啓杜を見て呆然とする高宮を不思議に思うものの、自分たちがかつて恋人同士だったと聞かされて驚きを隠せない啓杜。「もう一度こうやって抱きしめたかった」と、どこか縋るような目で見てくる高宮を拒めない啓杜は、高宮の激しくも甘い束縛を心地よく思いはじめるが…。

収録作品:「執着チョコレート」「愛執エプロン」、あとがき、(※本文口絵、挿絵無し)

感想:

ヤンデレ攻による執着監禁モノで、無理矢理有、縛り有、おもらし有、尿道責め有、写真も撮るし番外編ではエプロンプレイまで……と、濡れ場の満漢全席状態。もうこれは、本当に、この手のエロに萌えるか否かだけで好き嫌いが決まる作品なのではないでしょうか。

基本は、ヤンデレ攻に監禁されひたすら無体されながらも「なんとなく憎めないし、こいつにやられると嫌じゃない」と絆されている受(そこは嫌がれよ、と突っ込みたくはなりますが)。そして、受の失われた記憶に伴う高校時代の出来事が明かされていく、という流れですが、まあそのあたりは予定調和なので、ストーリーを求める類の作品ではないかと思います。

葵居さんは、フルール文庫の『やがて恋を知る』が良くて、読み始めた作家さんです。なんらかの「イタイ」要素のある設定で、濡れ場重視なお話を書かれることが多い印象ですが、冷静になったら負けなやりすぎ感に内心突っ込み入れつつも楽しんで読んでいます。複数攻や、当て馬やモブ相手に最後まで致してしまう作品は漫画だと痛くて苦手なのに、活字だとそうでもないのが我ながら不思議です。

ヤンデレ攻、共依存バカップルのめくるめく愛欲の日々がお嫌いでなければ読む価値有かと思いますし、ちょっとでも地雷臭を感じたら、避けたほうがいいかもしれません。