『可愛いあの子』さがのひを
すぐそばにありすぎて、気づかないもの…夏生はダメ男が好き。まことはダメ男が好きな夏生が好き。そんなある日、夏生が彼氏に振られてしまう…。傷心の夏生をなんとかなぐさめようとするまことについ苛立ってしまう夏生…絶妙な距離を保ってきた幼馴染の二人が紡ぐ可愛い恋の物語。
収録作品:「ろくでもないあなた」「白くゆらめく」「すぐそばにあった気持ち」「字可愛いあの子」「みしまの恋」、描き下ろし4コマ(2ページ4本)、あとがき
感想:
「シア*1」ではじまった連載がちょっといい感じだったので、過去の作品も読んでみることにしました。
絵はすっきりときれいで、短編集なのもあって全体的な印象はややあっさり目。分量的には前後編の「ろくでもないあなた」がやや多め。好きだった友人(男)の結婚に傷ついている佐々木と、コインランドリーで拾ったヒモ男。ありがちな話ではありますが、やや内気で優しい佐々木と、ヒモっぽさ全開の年下攻の感情の揺れなど、きれいにまとまっていたと思います。最後、ちょっとページ数足りない印象はありましたが。
「白くゆらめく」は田舎ののどかな風景をバックに、(性的な)いじめにあう転校生とそれを止められなかった友人のちょっと重めのお話。「すぐそばにあった気持ち」「可愛いあの子」の連作が表題作で、ダメ男と付き合う(そして振られる)夏生と、ずっと夏生のことが好きだった幼馴染のまこと。そしてダメ男・望月とその彼氏の満の2カップルのほのぼのネタです。絵柄的にも、重めの話よりはこういう可愛いお話の方がしっくりくるような気がします。まことのことが大好きなんだけど元彼のことがちょっと気になってしまう夏生と、そんな夏生の態度に嫉妬して普段になく強引な行動にでてしまうまこと。王道です。が、王道だけあってやっぱり萌えるんですよねこういうパターン。