ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『坊っちゃまと主治医(1)(2)』真生るいす

十九世紀末、イングランド北西部の片田舎。天蓋付きのベッドの中で、病弱な坊っちゃまは今日も主治医を待っている。実は坊っちゃまは、主治医のアダムに首ったけ! 老執事や乳母(ナニー)の心配をよそに、彼をオトす機会を虎視眈々と狙ってる。今日も仮病で呼び出すけれど……!? 年の差&身分違いヴィクトリアン・ロマンス。 

収録作品:(1巻→)「坊っちゃまと主治医」「若き坊っちゃまの悩み」「ナニー・マイラブ」「坊っちゃまの探しもの」「親愛なる初恋の君へ」「坊っちゃま倒れる」「うさぎのダンス」、あとがき (2巻→)「坊っちゃまと悪い男」「紳士の鑑」「Lの悲劇」「月夜の怪談」「訪問者」「執事の一日」、あとがき

感想:

紙ではずいぶん前に出ていた作品です。主治医のアダムが大好きで、仮病を使ってみたり、策を弄してアダムを屋敷に呼び寄せようとする坊ちゃん。そして一見クールながらも実は理性と戦っている様子の、ちょっとずるい大人なアダム。BLといえばBLですが、坊ちゃんが幼いこともあり、恋愛要素はあっさりめ。どちらかといえば坊ちゃんとアダムの駆け引きを微笑ましく眺めたり、ドタバタを笑ったりする類のお話かと思います。わたしはショタ属性がないので、あまりこのカップルでがっつりした恋愛描かれても引いてしまうかと思うので、このくらい(キスや、ちょっと触れるくらい)でちょうど良いです。色気のある作品をお求めの方にはちょっと物足りないかな。

ヴィクトリアン・スタイルお好きな方は舞台設定や登場人物の衣装だけでも楽しめるかもしれません。また作品自体もどことなくクラシカルな英国ミステリーを意識しているのか、ちょっとした謎解き要素が含まれるものが多いのも興味深かったです。

 

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