ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『初恋を処する方法』ウノハナ

高1の夏、野球部の先輩で初恋の相手、松田祐吾と教師との“行為”を目撃してしまった本巣佳月。その口止め料としていきなりフェラをされ、3秒でイかされてしまう。初恋がショッキングな失恋と同時にトラウマへと変わった。あれから7年、小さい頃からの夢だった小学校教師になった佳月は赴任先へ挨拶に行くが、そこで再会したのは同じく赴任してきたという祐吾だった。トラウマの元凶とひとつ屋根の下での暮らしが始まる――。

カラダは繋がってもココロは手に入らない。ウノハナが描くもどかしくて切ない再会ラブ!

収録作品:「初恋を処する方法」「(描き下ろし)初夏の休日の過ごし方」

感想:

絵も上手いし話も面白いんだけど、どこかちょっと好みとずれているのかぴったりこない作家さん。わたしにとってその代表格だったウノハナさんですが、この作品は好みでした。

高校時代に純情をメタメタにされた先輩、祐吾とまさかの再会、そして同居。ときめくものの「フケ専」を宣言され、しかも祐吾は前の勤務先で恋愛関係のトラブルを起こして休職した傷がまだ十分に癒えていないことも判明。もう本当に二重苦三重苦な状況ですが、若干肉欲に負ける部分はあるものの、祐吾の心情に配慮し、体調を気遣い、食事を作り家事を担当しとにかく献身する佳月。ストーリー自体はありふれたものなのですが、オカン攻好きなわたしにはこの年下オカン攻の鏡のような佳月が、メンタリティをこじらせた祐吾を徐々に籠絡していく過程がたまりませんでした。

濡れ場は濃厚で露骨。修正も控えめ(トーン、白ペン等)です。ウノハナさんの濡れ場は濃さの割にあまり色気を感じない印象があるのですが、他作品と比べて本作はずいぶん色っぽいように思いました。