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ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『ネガ』はらだ

オレたち3人はいつも一緒にいた。卒業式の日、オレがアイツの想いを拒否するまでは。だけどアイツらはオレの知らないところで――。幼馴染同士のヒリつく三角関係を描いた「後悔の海」「スイメンカ」をはじめ、光る金属に目を奪われてはじまる「ピアスホール」、ニューエイジな感覚で描かれる「リスタート」、女子視点からのBLを描いた「わたしたちはバイプレーヤー」など“ネガ”な作品を一冊に集約した、はらだ節がはじける短編集。 

収録作品:「後悔の海」「スイメンカ」「ピアスホール」「リスタート」「(描き下ろし)リスタート/ミキ」「わたしたちはバイプレイヤー」特典1ページマンガ(『ポジ』と共通)

感想:

例の件が起こる前にリブレで描いた短編&麗人掲載の短編+描き下ろしの作品集です。年々痛い作品が苦手になってきているのでどうかなあと思いながら購入しましたがすごく良かったです。絵柄もあまり好きな系統でなく、正直描写が過剰すぎると感じることもあるのですが、やはりこの方、上手いですね。

「後悔の海」「スイメンカ」は、中学生男子3人組の関係が変わっていく、思春期独特の残酷さが描かれています。3人それぞれに弱さもずるさもあって、年月が経っても3人それぞれに引き摺るものがあって、それでも重さや暗さよりも甘酸っぱさが残るのは、描写が俯瞰的だったからでしょうか。「ピアスホール」の肉体的な痛さも本来苦手なはずなのに、詩的な描写がやけに綺麗で色っぽくて見惚れました。

さらに「気持ちがすれ違った挙句、事故で頭をやられた受」といういろんな面でギリギリな「リスタート」も、描き下ろしでミキの視点が加わっていることで、むしろこれもある種のハッピーエンドだと思えます。最後を飾る「わたしたちはバイプレイヤー」はリブレのアンソロ『女子BL』(女子目線のBLがテーマ)に掲載された作品ということで、これまではらださんの描く女性キャラクターが割と地雷だったわたしとしてはかなり警戒して読み始めましたが、意外にも良作。

連載ものを読んでいるときより、視点の据え方、変え方など、マンガとしての上手さを強く感じる短編集でした。はらださんの描くネガな作品と聞いてもっと残酷な話ばかりを覚悟していたところ、確かに(心身両面で)痛々しい話中心ではあるのですが、どの話も基本愛情あふれる感じだったので、そう重さは感じませんでした。ラブ重視の方でもいける作品集だと個人的には思います。

 

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