ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『デキる男』猫田リコ

 女好きだがイイ人どまりで本命になれない男・須羽と 何もせずとも女が集まってくる須羽の後輩・手越。いつも手越にバカにされ、悔しい思いをしながらも羨ましさは否めない。次こそは! と懲りない須羽だったが、女に騙され300万円の借金を背負ってしまう。途方に暮れる須羽の前に300万円の現金を差し出す手越。さすがに受け取れないと拒む須羽に手越の出した条件は!?

収録作品:「デキる男」「春告人」、書き下ろしマンガ(5ページ)、電子版オマケマンガ(1ページ)、カバー下、(アニメイト限定)ペーパー特典

感想: 

荒っぽく言えば『目と目が合ったらサヨウナラ』から殺伐さを抜いたような雰囲気の作品です。おバカで元気で生意気だけど健気で騙されやすい須羽と、要領がよく有能長身イケメンかつ上から目線の手越。騙されてできた借金を手越に(半ば無理やり)肩代わりされた挙句に「体で払う」ことになってしまう須羽ですが、読者的には手越が須羽にメロメロなのは当初から見え見えですし、須羽も須羽で飄々としているので特段悲壮感はありません。むしろ須羽が手越の気持ちに鈍感すぎて、手越頑張れとエールを送りたくなってしまうくらいです。いつもの猫田さんなので、ファンとしては安心して楽しく読める反面、新鮮味には欠けますし、展開自体は日常マンガ+セックスといっていいくらいぬるいので、読者は選ぶ気がします。そして手越がサイクリングパンツのようなやたらピタピタした部屋着を着ているのはなんなのでしょう。

ほぼ表題作で占められていますが、「春告人」というごくごく短い読み切りが併録されています。和風で、淡々した中にもほんのり激情が伺える、こちらもある意味猫田さんらしい情緒ある小品でした。良かった。

エロはとにかく多いくて濃いはず。「はず」というのま見事な白抜きで、大胆な構図になればなるほど何が何やらわからなくなってしまうからです。アニメイトで買うと真っ白なのは想定していたのですが(そしてR18除いてエロ重視は基本アニメイトは避けているのですが)やっぱり好きな作家さんだと待ち切れず、ついつい最初に販売開始したところで買っちゃうんですよね。

(以下、2016.7.21追記)

Renta! でも販売が始まったので購入してみました。ぼかし等あるもののやはり真っ白く消されてはおらず、「何やってるのかよくわからない濡れ場」状態は回避されていました。この作品については、アニメイトのペーパー特典によっぽどの魅力を感じない限りRenta! での購入をおすすめしたいです。ちなみに並べて気づいたのですが、タブレットで読む際に、紙版とサイズが異なることによって生じる(と思われる)余白、Renta! では黒、アニメイトでは白で処理されているんですね。個人的には余白は黒の方が見やすいです。

 

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