ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『一枚越しフェティッシュ』山佐木うに

三嶌デザイン学園に通う電脳部の黒江洋児は、訳あってコスプレサークル衣装担当、服飾部の岸田柊真にコスプレ衣装制作を依頼しに行くことに。しかし、10万円という高すぎる制作費にまったく手が出ず困っていると“モデルになったら衣装の制作費無料”というおいしい条件につられて引き受けてみたら、着せられたのはなんとピッチピチの全身タイツで――!??

収録作品:「一枚越しフェティッシュ」「(描き下ろし番外編)スイッチヒーロー」

感想:

タイトルそのまま。自作ゲームのコスプレ衣装製作を頼んだ相手は、ピチピチの布越しの男の体に欲情するという美形だけど変態。ドン引きしつつも「無料でコスプレ衣装製作」の好条件に負けて、「モデル」という名の柊真の性欲解消役を引き受けることになった黒江ですが、関係が深まるにつれて徐々に感情にも変化が……という「奇妙な契約関係から恋愛感情に発展+ぬるい勘違いイベント」的な意味で言えば王道です。が、何しろ攻の性癖が、着衣というか体の線が出る布地をまとった男フェチ。それだけで十分個性になるくらい、清々しいまでにフェティッシュな一冊でした。さりげなく受が巨根という設定からも、作者さんのより一層の変態っぽさを感じます。

わたし自身「布地越し」はツボなので、全身タイツ越し下着越しピチピチ衣装越しさまざまなシチュエーションを存分に楽しませていただきました。番外編では全身タイツと言えば!の「衣装破り」も堪能できます。フェチもの、エロコメスーツアクター、着衣プレイあたりがお好きな方は楽しめるのではないでしょうか。

布地のないシーンもトーン+白ペンでぐしゃぐしゃ斜線が入っているタイプの修正メイン。そして布越しのあれこれも、実に色っぽい描き方をされていたと思います。