ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『ヨコシマのゆえん』じゃのめ

幼なじみの優吾と靖弘は記念旅行の旅先で、なぜか閉じ込められてしまう…。そこで自分の真っ黒で淫らでフシダラな、誰にも知られたくない秘密を知る謎の男に脅されることになり…。 

収録作品:「ヨコシマのゆえん」「(番外編)キミ専用通力」、あとがき、「(電子限定特典)バレンタインの日」

感想:

画面作りといいストーリーといい、独特の雰囲気のある作家さん。内心恋愛感情を持っていた幼馴染同士が、ライフイベントでの関係や距離感の変化を前に動揺する、というプロット自体はありふれたものですが、今回なんとファンタジー風味。最後の思い出作りに康弘の祖母が住んでいた田舎の家へ出かけたところ、そこから出られなくなってしまいます。

閉鎖環境で、追い詰められて、暴かれる感情。なかなかスリリングで色っぽい展開です。といいつつ邪な感情を喰らい尽くすという謎の男ヨコシマも、優吾にホウキで頭殴られて逃げ出す等々どこかぼんやりした人物として描かれており、このあたりの緩急のつけ方も個性的だと感じました。ブラックなんだけど、妙にほのぼのしています。

本編は、あらすじ紹介の文面ほどエロスな感じではない(即物的エロというよりは雰囲気の色っぽさ重視)ですのでそのあたり期待していると肩透かしだと思います。濡れ場は番外編の「キミ専用通力」で割とがっつり。

 

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