ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『たべごろ誘惑ハニー』間之あまの(表紙イラスト:花小蒔朔衣)

 

たべごろ誘惑ハニー (幻冬舎ルチル文庫)

たべごろ誘惑ハニー (幻冬舎ルチル文庫)

 

カフェで働く日高百瀬は、小さいころからイトコの彰芳が大好き。彰芳のお嫁さんになるべく日々花嫁修業に励みつつ、夜はお色気作戦で「誘惑」することにも一生懸命。でも、彰芳は裸エプロンにも彼シャツにも反応してくれなくて、百瀬を子ども扱いするばかり……。そんな彰芳が、百瀬の二十歳のお誕生日直前に前祝いだとキスをしてくれて!? 

収録作品:「たべごろ誘惑ハニー」、あとがき(※本文挿絵なし)

感想:

読者を選ぶ作品です。心がきれいでおぼこいアホの子(精神的ロリ)受が、包容力ある大人だけれど内心独占欲の強い攻に可愛がられる話+ぬるい当て馬イベント、で話の99%は言い表せていると思います。

実際は無垢で色事についてよく知らないのに周囲のアドバイスのままに裸エプロンや彼シャツで攻を誘惑して、逆にちょっとキスされただけで過剰にドギマギしてしまう受(※間もなく成人)。言葉遣いもかなり幼稚かつぶりっ子系(「〜もん!」等々)なので、わたしのような汚れた大人は読んでいてどうにも体の中がむず痒くて落ち着きません。冒頭は一応つれない大人の男風な彰芳ですが、受が成人になるまで自制しているのが見え見えなので恋愛面での葛藤やアクシデントもほとんどありません。

作者もあえて「アホの子によるほのぼのラブコメ」をテーマにしたとのことで、あとがきには「苦手な方はタイトルやあらすじ、第六感等で察知して避けてください」「業界のメインストリームとは大きく外れていますし、天然さんと同じく好き嫌いが分かれるタイプのキャラクターですし」と書いてあります。残念ながらわたしはあまり得意なタイプのお話ではありませんが、好みが分かれる設定でも、ニッチなジャンルでも、果敢に書く人出す人そして読む人がいるのはいいことだな〜と思うので、アホの子好きの人は読んでみてはいかがでしょうか。