ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『詩に濡れるくちびる』丘群さえ(イラスト:水無瀬雅良)

 

詩に濡れるくちびる (プラチナ文庫)

詩に濡れるくちびる (プラチナ文庫)

 

『玉門…に、ぴちゃゝと……指を…』薄桃色の唇から淫語が零れた。言葉通り、佳蓉の子爵・千玲の秘所に、遼太郎の指が潜り込む――。書生だった彼は、英国へ渡り大成し、借金の見返りに千玲に猥褻本音読という辱めを課した。以前は潔癖すぎて、英詩を語り合う程親密だった彼の想いを、認められなかった千玲。だが今は卑猥な言葉を発するたびに、躰が熱を帯びる。執着を孕む彼の視線に、身奥を炙られる。そんな淫らな変化が怖い。千玲は渡英し、爵位を捨てても逃げようと企てたが…。

収録作品:「詩(ソネット)に濡れるくちびる」(小さな画像ですが挿絵有)

感想:

大正を舞台にしたエロティックメロドラマで、萌えポイントは「大正ロマン」と「言葉攻め」。かつてシェイクスピアバイロンを朗読しあった千玲に、遼太郎は春画と色物語を見せ、声に出して読むことを迫ります。そしてはしたない言葉のままに千玲を陵辱していくわけですが、まあご想像通り最後はめでたしめでたしなので、あまり深刻にならず言葉攻めを楽しむのがよろしいかと。数多ある言葉攻め・卑語強要系でもこの作品の珍しいのは、音読させるのが「春画と色物語」である点です。無理やり口に出させるいやらしい文章が、レトロ。例えばこんな調子です。

おんなは、早く、早くと男にしがみつき、男の……を欲しがり、脚を開いて淫水夥しい玉門を 

この言い回しに萌えられるか否かは趣味によるかと思いますが、個人的にはたいへん楽しませていただきました。丘群さんの他の小説も読んでみたいのですが、残念ながら電子書籍で読めるのはいまのところこれ一作品のみのようです。

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