『仕立て屋と坊ちゃん』大島かもめ
「ずっと前から好きでした!」「……知ってるよ?」良家の御曹司・秀一郎には長年片想いをしている相手がいる。スーツのオーダーメイド店「テーラー片山」の店主であり、妙な色気の持ち主の片山 彰だ。年の差もあり、相手にして貰えるはずもなく…なんとか振り向いて貰おうと必死にアプローチするものの、軽くあしらわれるばかり。けれど口説き続けた甲斐あって、片山はカラダだけは許してくれるようになり──? 純情な青年×手強い大人、難攻不落の恋。雑誌掲載時から話題沸騰!! 実力派の大型新人・大島かもめの鮮烈デビューコミックス!
収録作品:「仕立て屋と坊ちゃん」「(描き下ろし)ある日のふたり」
感想:
先日読んだ『恋ときどき、焼きサバ定食』が大当たりだったので、大島さんの旧作も読んでみました。『恋ときどき〜』に負けず劣らず良かったです!
世間知らずのお坊ちゃんが自分なりに真摯に愛情を伝えようとするいじらしさと滑稽さ。それを一見つれなく大人っぽく受け流しながらも内心ぐらついている片山。ユーモラスでちょっと色気も感じられる駆け引き(尤も高宮青年の辞書にはそんな言葉はないのでしょうが)も素敵で、些細なことに一喜一憂する高宮も常にクールな大人を装っている片山の素がふと出た瞬間も可愛い。
濡れ場もけっこうありますが、致している場面だけでなく、雨に濡れた透け下着のエピソードなどチラリズムも素敵。別にそういう場面でなくとも片山自体がとにかく色っぽくて、これは坊ちゃんじゃなくてもぐらっときて当然。
絵も上手いし話も上手いし笑えるのにキュンキュンするし、 次の作品も待ち遠しい作家さんです。
↓↓ 大島かもめさんの他の作品の感想も書いています ↓↓