ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『ましたの腐男子くん』黒岩チハヤ

地味で内気なサラリーマン・曽我部は会社から遠く離れたアパートに住んでいる。理由はただ一つ。階下に住む大家の孫・幹に一目惚れ&片想いしているからだ。毎朝、挨拶できるだけで幸せ……のはずだったが、ひょんなことから幹の部屋に入ると、そこにはボーイズラブコミックの山・山・山……なんと幹は「腐男子」だった! しかも曽我部を腐仲間と勘違いした幹にぐぐっと距離を詰められて───

ノンケ腐男子くん×純情うぶな童貞リーマンのモジモジ妄想ラブ!

収録作品:「ましたの腐男子くん」「(描き下ろし)股間が気になる腐男子くん」「出会い系はじめのススメ」「勘違い系プロポーズ」

感想: 

気になってたんですよね、ずっと。でも「腐男子ネタってちょっとキワモノっぽいし、地雷かも」と躊躇したまま幾星霜。ようやく読んでみました。

黒岩チハヤさんって割とがっつりエロ重視なイメージがあったのですが、ほのぼの可愛いコメディで、予想よりはるかに純情な2人にもどかしくも萌えました。黒岩さんの作品、こういう系統の方が好きかも。

内気でおぼこいゲイリーマンと、腐男子(エグいエロ好き)である大家の息子。同類(腐男子)という誤解受け戸惑いつつも幹との距離が近づくことが嬉しくて、しかも「男性同士の恋愛を描いたマンガが好き=男を好きになってくれる可能性があるのでは」という希望を持ってしまう曽我部のいじらしさ。そして、ようやくできた腐男子仲間の存在に喜びつつも、ちょっとずつ曽我部にドキドキするようになる幹もかわいいというか面白いというか。

腐男子といっても商業BLのみならず同人二次創作も好きな設定なので、お仲間の腐女子も出てきて、かなりがっつりオタクをネタにしているという意味では若干好き嫌いわかれるかもしれませんが、わたしは楽しく読めました。表題作は1巻時点では基本プラトニックで、腐男子の妄想的な意味でちょこちょこ色っぽい描写がある程度です。

併録は、ハッテン場で家出少年を拾ってからの恋愛話(「出会い系〜」「勘違い系〜」)で、こちらは表題作よりちょっと濡れ場多めでオーソドックスなお話でした。ちなみに修正は周囲含めてがっつり白抜き。