ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『なつみちドライブ』見多ほむろ

高学歴の家族の中で、一人だけ落ちこぼれの道春。そんな彼に父親は親戚の家に行って、勉強を教えてもらうように言う。夏休みに親戚の家に行くとそこには街中で「すごいゲイ」と噂のいとこの夏樹が待ち構えていた! 夏樹はお勉強だけでなく、夜の遊びまで教えてやると言い出し……!? 

収録作品:「なつみちドライブ(1〜3)」「(描き下ろし)みちはるドライブ」「つめたい指の向こうで笑って」、あとがき(おまけマンガ)

感想:

『好みじゃなかと』が良かったので他の作品も読んでみることにしました。勉強も遊びも教え上手で町でも噂になっているゲイである夏樹、高学歴エリートな3人の兄と比べて落ちこぼれ、妄想力たくましい道春。キャラが立っていて、テンポ良いストーリー展開も巧み。夏樹に対する道春の、「苦手(警戒)→いい奴→好きかも」の感情の動きはとりわけ鮮やかでした。あと、メインカップルとは一切関係ありませんが、夏樹の妹の広島弁がかわいくてかわいくて、方言女子に萌える気持ちがちょっとわかりました。

「なつみちドライブ」では夏休み中の広島での出会いから、道春の受験が終わるまでが描かれています。毎話ちゃんと山があり展開もしっかりしていて、終盤に出てきた当て馬、歯科医師の大八木についてはメインカップル的には引っ掻き回す邪魔な奴なのですがビジュアルも図々しい性格も割と好みなので、当て馬だけで終わってしまうのはもったいなかったです。

併録の「つめたい指の向こうで笑って」はネイル学校の優等生と劣等生のお話。クールな黒髪攻・水沢と元気で健気な秋山のやりとりも楽しく、ネイリスト修行中ということで、手を重ねて筆使いの練習といった萌ポイントもありました。

濡れ場は、表題作には軽めのものがちょこちょこと。番外の「みちはるドライブ」だけ、やや濃厚です。「つめたい指の〜」は完全プラトニック。

 

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