ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『キャンディミルク』ひちわゆか(表紙イラスト:花小蒔朔衣)

 

 会社員の匠は、仕事相手の上杉に秘密を知られてしまった。それは、決して人には知られたくない、とても恥ずかしい秘密で――。(キャンディ)

ある日、数学教師・上杉の携帯を覗き見てしまったあつむ。そこには彼からのHな命令を実行している人物からメールが届いていて……。(MILK)

改稿&2カップル登場の書き下ろしを収録。

収録作品:「キャンディ」「Sweet Pain」「MILK」「彼の犬、彼の仔猫」「(書き下ろし)キャンディミルク」、あとがき(本文挿絵なし)

感想:

作品自体は2002年頃に発表されたもので、今回改稿+書き下ろしを加えての単行本化とのこと。あらすじ紹介からは気づきませんでしたがSM調教系です。「キャンディ」「Sweet Pain」は、インテリアデザインの仕事をする匠が、家具作家の上杉に隠しているM嗜好を知られ、脅されつつ調教されるうちに恋愛感情が芽生える話。「MILK」と「彼の犬、彼の仔猫」は憧れの教師がS系ご主人様をやっていることを知った高校生が押しかけ奴隷になろうとするお話です。なお両作品の「上杉」はドS兄弟で、今回書き下ろしの「キャンディミルク」で晴れて(?)2カップル共演となっています。

あとがきによると、当時SM系の作品は少なく、描写(というかプレイ)にもかなりの制約があったとのこと。基本肉体を痛めつけるような描写はなく、軽いスパンキングや貞操帯、ちょっとしたお道具を使ったプレイくらいのものですが、それでも攻と受のメンタリティはしっかりSMなので、がっつりそっち系のお話に仕上がっていると思います。痛いの苦手なわたしにはこのくらいがちょうど良かったかな。もちろん愛ある調教です。