ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『ショートタイプコンプレックス』懐十歩

誰もが振り返るイケメンの中のイケメン、それが俺、三上亨(24歳)。完璧ボディの唯一の欠点……それは粗チン。(ツラい……)ずっと想い続けているのは、昔からお世話になっている病院の先生。先生はもちぷに肌のお子様がお好みらしい。(つまり俺は射程圏外……)先生好みのルックスになろうと奮闘するがことごとく失敗……。しかし、千載一遇のチャンスが訪れ――!?(どうなる!? 俺&粗末な息子!) 

収録作品:「ショートタイプコンプレックス」「ないものねだりの教室で」「大人の付き合い?」「村を出たからくり」「(描き下ろし)勘違いから得たもの」「(描き下ろし)ニュータイプコンプレックス」、あとがき、カバー下

感想:

女の子っぽい「美少年」であることがコンプレックスだった主人公・三上は男らしく長身イケメンに成長したものの唯一の欠点(?)である局部の小ささに悩む日々。彼の少年時代からの思い人である近所の医師・高木先生にもつれなくされる中、先生が「ショタコン」であることに気づいてしまう……という、残念なイケメン×ショタコンおっさん医師ものです。

設定は若干キワモノじみており、題材的にどうしても(色っぽくない意味での)下ネタも多めですが、全体としては三上の残念さと先生の変態さが楽しいコメディ作品です。三上の最大の悩み「局部の小ささ」が最終的には功を奏してしまうわけで、短所だと思っていた部分が身を助けることもあるという前向きで明るい良い話……でしょうか。しかし作者の方がそもそも本作のプロットを「暗い話」として作っていたというのが謎です。どう考えてもコメディにしか結びつかない設定だと思うのですが、当初のイメージ通り描いていたらいったいどんなお話になっていたのか、ちょっと気になります。

表題作の他には短編で、教師ものの「ないものねだりの教室で」(+番外ショート「大人の付き合い?」)、からくり人形同士のファンタジー風味「村を出たからくり」が収められており、どちらもほんのりと可愛いお話でした。

表題作はけっこう色っぽい場面多め、一方併録作品はプラトニックばかりです。濡れ場は割と色っぽいですが、局部は周辺部含めて白抜きでやや修正はきつめです。

 

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