ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『5時にはおワンナイト!』加藤スス

狙うは年収二千万以上のハイブリッドイケメン!! 女の園で働くスーパーOM(オフィスメン)・倉木。仕事のできる彼は定時までにきっちり業務をこなし、出会いを求めて夜の街へとくり出すのだ。ある日の合コンで、ウブで金持ちなイイ男を発見し、お持ち帰り成功!! ところがそれは、会社の冴えない後輩・白鳥だった――!? 

収録作品:「5時にはおワンナイト!」「(描き下ろし)相愛でいナイト!」「刃渡り20センチのルージュ」「(描き下ろし)刃渡り20センチのルージュ(番外編)」「(電子限定描き下ろし)倉木の合コン講座」、あとがき、カバー下

感想:

予備知識も大きな期待もなく読み始めましたが、テンポ良いコメディで楽しめました。肉食受でもこのくらいキャラが立っていて笑えたら十分受け入れられます! 予備知識ゼロどころか表紙すらよく見ていなかったので、勝手に松岡と倉木にフラグを立てていたため途中で「あれ、白鳥なの? 白鳥でいっちゃうの?」と若干戸惑いつつも(自業自得*1)、健気で天然で意外と打たれ強く押しの強い白鳥と、スペック重視のクズビッチだけど意外と押しに弱い倉木、いいカップルでした。いきなり石油王が出てきてしまうなど、はちゃめちゃご都合な展開もありますが、いいの、コメディだから。女性陣の描き方(というか女性陣と倉木の関係性)も新鮮で面白かったです。

併録は、かつて一度も喧嘩で勝てなかった憧れの友人に会いに上京したところ、なんとオネエになっていたというお話。オネエも女装も興味ないんですけど、振り返ればオネエや女装を描いたBL、特にオネエや女装が攻なBLって意外と良作が多いんですよね。こちらの作品もオーソドックスながらコミカルで人情味ある良い作品でした。

全体通して濡れ場は何回かありますが、そんなに色っぽくはないです。エロよりは、よくできたラブコメとして読むのが良いかと。

*1:でもちょっとだけ松岡×倉木のケンカップル見てみたかったです、本音は。