ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『DANCING COLORS』フルカワタスク

「いやらしのポールダンサー堅物×ビッチのライバルBL」 ―見せろよ その身体で もがいて喘いで 乱れるところを― ステージが終われば男に抱かれにいく。人気ダンサー・なぎさはそういう男だった。華はあっても本気になれず、貞操感もゆるい。ゆえに、踊ることにすべてを賭けた堅物のエース・航とは犬猿の仲なのであった。そんな軽薄ななぎさを変えたのはある夜の、航の見せつけるような本気のステージ。美しさに圧倒されたなぎさはそれを認めたくないと思うと同時に、航に惹かれている自分に気づく。そんな折、クラブとその過去を背負う航の心を見てしまったなぎさは、激情を伴って航のもとに訪れる。漆黒と煌びやか、様々な色を持った特別な空間が引き合わせるメンズポールダンサーストーリー。 

収録作品:「DANCING COLORS」「ENCORE」、あとがき

感想:

初読の作家さん、ていうかデビューコミックスなのですね。ポールダンサーものというのも初めて読みました。ショービズものってどちらかといえば苦手なイメージがあったのですが、きらびやかな部分よりはむしろスポ根に近いプロ意識が強調されていて、それぞれの登場人物の掘り下げ方もしっかりしていて読み応えありました。

ラフなタッチは好き嫌いがあるかもしれませんが、絵自体はお上手で話の運びは巧み。ちょっと秀良子さんとか、ああいう感じ。ただ、あまり動きのある絵柄でないので、肝心のダンスシーンの迫力がイマイチなのが、ダンサーものとしては少し残念かもしれません。止め絵は雰囲気あって素敵なんですけどね。

ダンサーらしいしっかりした体で描かれる濡れ場も色っぽくて、全体としてはいいもの読んだな〜という気分です。デビューコミックスでこのクオリティは、将来楽しみです。