ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『無自覚ラブファクター』S井ミツル

マジメそうな見た目で、実はセックス大好きなサラリーマン、神崎。セフレ(♂)とのプレイの一貫で尻にオモチャを入れたまま出勤し悶々としていると、トイレで大っ嫌いな同僚兼上司の一ノ瀬に遭遇、しかもなぜかそのまま一発ヤる流れに!? 堅物で融通がきかない一ノ瀬は、愛のないセックスをしてる神崎を心配するあまり「お前にちゃんとした恋人が出来るまで、俺が身体の面倒を見てやる」と宣言。一ノ瀬にムカつきつつも、体よく利用してやろうと思いつき……!?

収録作品:「無自覚ラブファクター」「(描き下ろし)その後のラブファクター」

感想:

初読の作家さん。わたしの好みからは少し外れた絵柄ですが、絵自体は割と整っていると思います。恋心と独占欲を自覚できないゆえに斜め上に正当化してしまう攻の一ノ瀬と、その一ノ瀬に普段から抱いている妬みを晴らそうとしているはずが徐々に調子の狂っていく神崎の関係は、焦れるというか滑稽というか。天然な攻と性悪な受の勢いのあるドタバタエロコメディです。

神崎が快楽に弱い襲い受属性なので、全体的にエロ描写はちょっと品がない感じ。もう少し恥じらいや色気を感じたいのが正直なところですが、コメディの濡れ場に情緒を求めるのも筋違いな気もしますし、好みの問題ですね。何度も読み返すタイプの作品ではないですが、さらっと楽しむには十分でした。