ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『ヤリチン☆ビッチ部 1巻(限定版)』おげれつたなか

山奥の全寮制男子校に転入した遠野。気さくに声を掛けてくれた矢口が唯一の友人となるが、球技が苦手なために矢口のいるサッカー部ではなく一番ラクそうな写真部に入る。だがそこは写真部とは名ばかり、キャラの濃い先輩たちがひしめく通称「ヤリチンビッチ部」だった! 一見お下品だけど、不器用でピュアな恋愛事情がめくるめく青春ストーリー!! 小冊子付き限定版! 

収録作品:「ヤリチン☆ビッチ部(1〜6話)」、描き下ろし、あとがき

感想:

なんつータイトルだ、と思いつつ購入。部分的に下品なエロ描写もあるものの、そもそも濡れ場自体がない回も多く、全体としてはエロ重視というよりは青春群像ラブコメといった雰囲気です。おげれつさんの評価の高い作品は割とシリアスでセンチメンタルな印象があるので、そっちを想定すると拍子抜けかも(まあこのタイトルなのでそんな人もいないでしょうけど)。ちなみに1巻時点では濡れ場は原則「ときたま挿入される情緒のないエロ」ばかりです。

もともと商業用ではなくウェブで趣味で描いていた作品(解像度の関係で3話まではまるっと描き直しされているとのことで、絵は古くないです)ということで、とにかく楽しそう。ただ絵はしっかり描き込まれている一方、設定や展開は萌えと勢いのまま描き散らした様子ありありで、散漫というかごちゃごちゃというか粗いです。それを楽しめるかどうかは、読む側の趣味嗜好次第でしょうね。

新入部員2人と濃い先輩5人、主人公のかわいいクラスメイト谷口やストーカー君などがわちゃわちゃしつつも、ベースは以下の4カップル。

  • 加島→遠野→谷口→(多分?)加島→……の三角関係?
  • 明美部長と糸目というなんだか闇のありそうなカップル
  • 不器用すぎる田村の谷口への純愛
  • 怪しすぎる百合先輩とピュアなストーカーのジミー君

やっぱり気になるのは加島と遠野の今後と、裏のありそうな谷口が何をたくらんでいるか、でしょうか。百合先輩は正直何かいけないお薬をきめているとしか思えず怖くて苦手なのですが、可愛いストーカージミー君には何卒幸せになっていただきたいところです。