ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『この世は金しだい』麻々原絵里依

 駆け出し弁護士の内村は、上司命令でイケメン新興ゲーム会社社長・白石の身辺を探ったところ捕まってしまい、恥ずかしい写真を撮られてしまった! ところがこの社長の白石はけっこうイケメンで!? 成金×新米弁護士ラブコメ

収録作品:「この世は金しだい」「(描き下ろし)この世は金しだい その後」、あとがき

感想:

あとがきで作者自らおっしゃってますが、タイトルと中身がちょっとミスマッチ。読んでみると、そんなにお金の話、出てこないんですよね。ドタバタあり(ちょっとした)陰謀ありつつ、IT社長と手玉にとられる新米弁護士くんの可愛いラブコメでした。

白石社長と内村だけでなく、脇役の美人秘書くららさんや角田先輩、みさをママに脂ぎったおっさん勢もいい感じにキャラが立っていて、ストーリー面では内村の弁護士事務所のクライアント企業と白石の契約関係のごたごたについても、きちんと話の軸として機能しています。マンガとしてはちょっと固い絵柄ではありますが絵は相変わらず美しいし、基本言うことない「よくできたBL」なはずなのに、寸止め感が強いのだけは今回も残念。

BL作家さんが皆エロを描くべきだとは思いませんが、色気を感じるキャラクターや展開にわくわくしてしまうからこそ、お預けを食う(実際はお預けというか華麗なる朝チュンなのですが)って最後ちょっと残念な気持ちになってしまいます。内村くん可愛かったので、めろめろになるとこ見てみたかった! まあこの寸止め感も麻々原さんの魅力なんだと納得はしているんですけどね。