ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『さよならフォーカス』春田

キラキラ映るのは、結局“アイ”ってやつで。キャンパスで見かけた、まっすぐにカメラを構える男。ただなんとなく今を生きていた岡本にとって、その姿はまぶしく、興味を惹かれるものだった。ある日、岡本が泥酔していたカメラの男・米津を介抱したところから急速に縮まった二人の距離。しかし、ひとつのキスがゆるやかな関係にズレを生み出し…。イマドキ大学生から配達のおにいさんまで、色とりどりの恋ものがたり4編を収録★ 

収録作品:「ルミノグラフ」「アンダーザフロア」「昼下がり憂鬱デリバリー」「咲き待ちの梅と読みかけの本」「フォーカスシフト」

感想:

短編集です。春田さんの作風の振れ幅を程よく網羅しているので、1冊目に読むには良い感じかも。表題作「ルミノグラフ」のしっとりした雰囲気がお気に召した方は『気まぐれと甘噛み』、「昼下がり憂鬱デリバリー」のちょっと変態っぽいコメディテイストがお気に召した方は『俺のパンツが人質にとられています』に進んではいかがでしょうか。

夢中になれるものがなく生活に行き詰まりを感じている大学生が、写真に没頭している同級生に出会い惹かれていく「ルミノグラフ」、そして彼女を親友に寝取られたショックで一夜限りの刹那的な関係に身を委ねる「アンダーザフロア」は、作品のタイプは対極ですが、いずれも短編映画のような雰囲気を持つ作品。これらも良いですが、個人的にツボにはまったのは、運送会社もの短編の「昼下がり憂鬱デリバリー」。ライバル会社(佐山急便)の爽やか新人を煙たく思っている主人公(ヤマハト運輸勤務)。しかし爽やか君は実は運送会社制服フェチゆえに運送会社に勤めるようになった変態でした。ごくごく短いコメディですが、白崎(変態)のキモ爽やかさが良くて、この2人の話はもっと読んでみたかった! けど寸止めだから良いのかも! 「咲き待ちの梅と読みかけの本」は、昭和初期の作家と書生もののかわいいお話で、これも好きでした。山川くん、可愛い〜。

全体的に色っぽさは控えめの一冊ですが、それでも十分満足できました。また、作品間のつなぎページでは登場人物のカバンとその中身の設定が公開されていて、雑誌やwebの「キッチン公開」「収納公開」「バッグの中公開」系のコンテンツ好きなわたしとしてはとても楽しかったです。

 

↓↓春田さんの他の作品の感想も書いています↓↓

広告を非表示にする