ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『気まぐれと甘噛み』春田

メンズファッション誌『TAG』の専属モデル・三池陸は、雑誌イチの人気を誇るも、その態度は不真面目で楽観的。そんな行いが祟ったのか、ある日、仕事に穴をあけてしまった。『TAG』の副編集長・橋本郁巳の冷静な対応で事なきを得た三池は、自分を見放さずにいた郁巳に興味を持つ。滅多に崩れることのない顔、他人との間に引かれたライン、近づくと赤く染まる肌の意味は――。

収録作品:「気まぐれと甘噛み」「いちについて」「夜とうらはら」「(描き下ろし)横顔と爪あと」、カバー下(取材まんが)

感想:

先日読んだ『俺のパンツが人質にとられています』が個人的大ヒットだったので、春田さんの過去の作品も読んでみました。表題作は不真面目なファッションモデルと、彼を発掘した雑誌の副編集長のお話。過去の恋愛で傷つき対人恐怖を持つ受を、攻の一途さが解きほぐす、という題材自体が定番なので、感情描写はていねいなもののやや手堅くまとまってしまっている印象です。

表題作以外は、高校生の愛の告白の駆け引きを甘酸っぱく描いた「いちについて」、とクリーニング店員と常連サラリーマンの「夜とうらはら」が収録されていて、この2作はどちらもごく短い、ほぼ恋の始まりを描いたさらっとしたお話です。

濡れ場があるのは表題作のみ。春田さんのベッドシーンは、独特の色気があって実に良いですね。白抜き(というかそもそも局部描いてないというか)なのにこんなに色っぽいのはなぜだろう、と考え込んでしまうほどです。

 

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