ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『同級生棲活』木下けい子

中学時代の同級生の水野と三田園は、頭のデキも性格も正反対の二人。ある日、三田園から拾った子猫の世話をして欲しいと頼まれた水野は一時的に彼の家に住むことになるが……!?
お気楽ちょいモテ系×不器用堅物童貞のデコボコ同級生ラブ。 

収録作品:「同級生生活」「同級生棲活」「同級生相愛」「同級生恋愛」「同級生熱愛」「(描き下ろし)同級生+1」

感想:

ちょっと軽そうで社交力は高そうな水野と、真面目で人付き合い下手の三田園は元同級生。不器用ゆえに、気持ちをうまく出せずにどうにかして水野とのつながりを保とうとしてきた三田園は一見傲慢で強引だけど実に健気で、一方鈍感ながらも無意識に寄せられる好意にあぐらをかいてきた面もある水野。こういう友情と恋愛のギリギリのところを描くのが上手い作家さんですよね、木下さんは。

不器用な三田園と鈍感な水野が共同生活を送る中で気持ちを通じ合わせるまでが前半。後半は、ブラック企業に入社してしまった水野が多忙すぎるゆえのすれ違いや、「童貞を捨てたい」三田園の意向による上下争いなど、長年の友人が「ちゃんとした」恋人同士になるまでがしっかり描き切られています。多少感情的なエグさを匂わせる部分はなくもないですが、全体的にはほのぼの系で、雰囲気的には『身近な恋だと思うけど』みたいな感じでしょうか。

木下さん、短めのお話だとほのぼの系、長めのお話だと攻も受もゲスいお話が多い印象です。最近ほのぼの系のコミックスが多かったので、そろそろゲスいのも読みたいところです。

 

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