ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『六畳一間の同居人』鴨川ツナ

六畳一間風呂トイレ付 築35年でちょっと古いけど内装はリフォーム済み駅から5分で立地もいいのに管理費込3万5千円! 大学入学を機に格安物件でひとり暮らしを始めることになった小野雄大。同級生からは事故物件とか言われたけどそんなの気にしない。と思っていたけど実は引っ越し当日からテレビが勝手についたり、冷蔵庫の電源が勝手に切れてたり、あまつさえ金縛りにあってエッチな夢を見るように……。それでも、急な環境変化によるストレスだろうと高をくくっていたある日、学校から帰ると自宅に見知らぬ男がいて!?

収録作品:「六畳一間の同居人」、描き下ろしまんが(4コマまんが4ページ)、あとがき(イラスト)、Renta!特典(4コマまんが1ページ)

感想:

以前読んだ作品で好感を持っていた鴨川ツナさんですが、なんと今回は「幽霊攻」。実は生霊で、後に本体と出会うーーといったこともない、ガチ幽霊x男子大学生のカップルです。話の入り方も丁寧で、全体として非常にテンポ良いコメディ。中だるみもなく一冊きっちり楽しみました。

幽霊の陸奥さんは、初登場シーンはむちゃくちゃ怖いですが、それ以外は愉快で家事が上手な癒し系(ちょっと計算高いけど)お兄さんといった感じです。受の雄大は明るく元気な今どきの大学生っぽい男子ですが、心優しく押しに弱いゆえに徐々に陸奥さんに流されてしまいます。陸奥さんが実体化するために「精力」が必要であるため、「精力」を巡って2人のコミカルなやり取りと色っぽいイベントが繰り広げられるのも楽しいですし、いちいちチェリーボーイっぽい雄大のあれこれも楽しいです*1。ちなみに脇役の安藤くんもいい!

一点、結局陸奥さんの生前や、なぜ成仏できないのか、雄大との過去の関係等々はよくわからないままでちょっと消化不良。回想シーンでは明治時代っぽい2人が出てくるので過去生で出会っていたという設定なのでしょうが、だとすると陸奥さんの80年代ボキャブラリーは(幽霊として目覚めたのが1985年っぽい描写もありますが)生前のものではないの? う〜ん、いろいろ謎です。

エロは露骨で、修正は白線でぐしゃぐしゃっと消してあるタイプ。エロ度高めのコメディお好きな方にはオススメです。わたしは前作より好きですね。

 

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*1:本題とは何の関係もないですが、作中作のAVの設定がアホすぎてとても楽しかったです。