ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『これもひとつの愛のかたち?』なるせいさ

「君、ちょっとパンツ見せてくれる?」 「パンツ、ですか」 それが彼との初めての会話でした。 下着デザイナーを目指す嵯峨には憧れの人がいた。それは天才デザイナーの宮里陽月。念願かなって彼が社長をしている下着デザイン事務所に就職。ただの雑用でも陽月の役に立てることが嬉しくて、大変ながらも充実した毎日を送っていた。仕事では鬼社長、オフのときには少年のような表情を浮かべる彼。知れば知るほど嵯峨の感情は憧れを通り越して、欲望を含む愛情になっていった。そんな時、陽月からキツい一言が――……。  

収録作品:「これもひとつの愛のかたち?」「これもひとつの兄弟のかたち?」「Bonita Pink」「Bonita Pink [奥様は高校生]」

感想:

少女まんがっぽいすっきりと綺麗な絵柄で、題材は下着デザイナー。設定から予想するとおり、なぜか受が女性用下着を着せられてしまう場面もありますので、そちらの趣味がある方にはツボなのでは。女装萌えはないはずなのに、わたし自身この手の設定は嫌いじゃないので、楽しめました。

表題作は新人デザイナーx社長(売れっ子デザイナー)の年下&下克上攻です。受が寝ぼけて色仕掛けしたのに乗じてのパターンから恋愛に流れていきます。ちょこっと言葉責めなどありつつも、優しくて遠慮がちないかにも年下攻っぽい感じでした。番外編として表題作の受の兄(もやはり受)の話も入っています。併録はタラシxウブな高校生のかわいいお話です。

全体として突出した個性や深みはないものの、小綺麗な絵でそれなりの起伏ありハッピーエンドなお話ばかり。大きな不満はないですが読み返すこともそんなにないのかも。濡れ場は多めですが、周辺部含めてがっつり白抜きされていますのでご注意を。