ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『オオカミの言い分』かわい有美子(表紙イラスト:高峰賢)

 

弁護士事務所で居候弁護士をしている、単純で明るい性格の高岸。隣の事務所のイケメン弁護士・末國からなにかと構われ、ちょっかいをかけられていたが、ニブちんの高岸は末國から送られる秋波に全く気づかずにいた。そんなある日、同期から末國がゲイだという噂を聞かされた高岸は、ニブいながらも末國のことを意識するようになる。しかし、警戒しているにも関わらず、酔った勢いでお持ち帰りされてしまい――。

収録作品:「オオカミの言い分」「オオカミの嘆き」、あとがき(※本文挿絵なし)

感想:

弁護士カップルです。マスコミへの露出も多い、ちょっと軽いけれど有能でイケメンの末國に何かと構われる、気は強いけどちょっと鈍くて巨乳好きの高岸。チャプターごとに視点が移動し、鈍い高岸が少しずつ末國を意識する過程と、したたかな末國がじわじわと高岸を攻略する過程を双方の視点から楽しむことができます。高岸から見ればイケメンで人当たり良く頼りになる先輩といった感じの末國が、末國目線の章になれば一転、内心やらしい目線で高岸を舐めまわしていたり。とはいえ酔っ払った高岸の小悪魔っぷりもたいそうなもので、無自覚にお互いを翻弄しながら、自分ばかりが翻弄されている気になっている、という恋愛ものの醍醐味を堪能することができます。

かわいさんの作品はそう多く読んでいるわけではないのですが、ド派手なイベント打ち上げるよりは、日常やお仕事を、メイン2人だけでなく周囲の人物含め丁寧に描かれることに好感を持っています。

 

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