『フィジカル・レッスン』柚摩サトル

耳年増で恋愛知識だけは豊富な「自称」モテ男子の井筒。周りにも若干引かれてる井筒に、恋愛指南を求めるクラスメイトが現れた。井筒が得意げにひけらかす知識を「うんうんそれで？」と嬉しそうに聞くそいつ・田中。どんだけウブな奴かと思いきや、田中は妙なフェロモンを発し続ける天然モテ男だった……！　モテ男のオーラが俺に超ささってるんですけど！　自称モテ男の恋愛マニュアル☆ 

収録作品：「フィジカル・レッスン」「君メロロマンティック」「同じ角度で」「片翅」「フィジカル・コンタクト」

感想：

最近当たりがない柚摩サトルさんですが、少し前の作品には割と好きなものが多く、たまに読み返したくなります。 ３話構成の「フィジカル・レッスン」と短編が数本収録されたこのコミックスもそのひとつ。

恋愛経験ないくせに見栄を張っている受が、清純ぶったしたたかな攻にいいようにされてしまうというのは、わたしにとっては萌えの黄金パターンのひとつ。本作の井筒はうざ可愛く、田中は実にしたたかでＳっ気たっぷり。好きなんです、こういう話が。アホえろラブコメながらも田中に翻弄される井筒の心情は実に細やかに描かれていて、こういうところも読み返したくなる理由のひとつなのかもしれません。

その他の短編はごく短くて、ほぼやってるだけだったりもするのですが、個人的には嫌いじゃないです。特に「君メロロマンティック」のプライド高い受は好みで、このカップルでもう少し長いお話読んでみたかったです（言葉攻めが好きというのもツボだったのかも）。

濡れ場は多分それなりに濃厚だと思うのですが、周囲含めて真っ白な白抜きなのが興ざめといえば興ざめです。まあ何をやっているかはわかるのですが、コマがほぼ真っ白で擬音のみというのはやっぱりちょっと寂しいですよね。