ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『ゴクラク305』三崎汐

高校生の時からお付き合いしていて、進学を機にいっしょに地元を出たおーすけとみーくん。大学寮では同室だし、ひとも羨む相思相愛――のはずなのに、ふたりのことは、絶対に誰にも言わない約束。この部屋の中だけの秘密の関係が、幸せだけどもどかしいおーすけは……? 

収録作品:「ゴクラク305」「おーすけとみーくん」「樹くんと砂木さん」「みーくんといとこちゃん/すなきさんのナゾ」「ペンタゴン」、あとがき+電子版おまけ(1ページイラストペーパー)

感想:

天然王子系で女々しい旺介と、一見自然児だけど常識人で世間体を気にする三宣。関係をオープンにしたい側としたくない側の葛藤&いちゃいちゃ話です。テーマとしてはよくある話なのですが、三宣の葛藤の根本が「自分が同性愛者と認めるのが怖い」(何年も付き合っていながら)というところに闇を感じました。「世間体を気にして」「家族に申し訳ない」以上に根源的な不安だと思うんですが……。旺介は旺介で果てしなく女々しいし、この人たち大丈夫なのか読み終えた今もちょっと心配です。

終盤2話は当て馬・樹くんを幸せにするのに費やされ、群像劇得意な作風の片鱗は見えますが、う〜ん、全体的に今回はいまいちはいりこめませんでした。全体的に天然というか、ちょっと不思議ちゃんなキャラクターが多すぎるため、ファンシーな絵柄や描写と合わさってトゥーマッチな印象になっちゃうのかも。でも巻末の描き下ろしショート群はかわいくてよかったです。

 

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