ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『理性が限界。』川琴ゆい華(イラスト:桜城やや)

 

理性が限界。 (角川ルビー文庫)

理性が限界。 (角川ルビー文庫)

 

警護会社『SPフェニックス』で、生意気な後輩・帆代とコンビを組むトラブルメーカーの真木嶋。毒を吐きつつも的確にフォローしてくれる関係に心地よさを感じつつ、彼の劣情を孕む視線には防御線を張っていた。そんな折、真木嶋は事件絡みで、催淫剤を飲まされた帆代と閉じ込められてしまう。苦しそうな帆代に手助けを申し出るが、「好きだから今触るな」と思わぬ告白をされ、ついに理性が崩壊した帆代に獣のように体を貪られて…!? 

収録作品:「理性が限界。」、あとがき、(イラスト有)

感想:

警備会社のバディもの。無口で不遜な帆代と、彼を適当にあしらっている(つもりでいた)真木島。警備会社の割に踏み込む現場が激しすぎるし、ファンタジー要素は過多ですが、テンポ良く緩急も巧みで、なにより攻と受の関係性が好みだったためたいへん楽しく読むことができました。

上手くからかいあしらっているつもりでいた相手に牙をむかれる生意気な受、たかが外れると猛獣になる普段は禁欲っぽい攻。いいですねいいですね。受のやたら杜撰な性格(攻への対応もですし、普段から下着をつけなかったり、ちょっとだらしない恋愛遍歴だったり)も、くそまじめな攻とのバランスを考えると絶妙。序盤で、催淫剤を使われ攻のタガが外れたところから、中盤では出張先のホテルで停電イベント、終盤でようやく思いが通じ合い、とシチュエーションの違う濡れ場(割と濃厚)も三度あり、色気重視で読んでも満足できるのではないでしょうか。

 

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