ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『男子の立ち入りを禁ず』案丸広

「アンタの所為で俺は無類の男好きになっちまったんだ!」大学生の早見康太は、神様に反抗した前世の神罰で、男子専門のビッチ体質になってしまった。因縁の体質を直すべく男断ちを決意するが、意志とは反対にカラダは熱く疼いてしまい……?
「相手が見つかるまで責任もって俺の性欲を満たしやがれ、このエセ神!!」

表題作の他、自動車教習所の教官×生徒や異母兄弟、不潔男×潔癖性など、教習所を舞台とした読み切り連作5編に加え、15ページの描き下ろしを収録。

収録作品:「免許皆伝」「美しきだけかな」「男子の立ち入りを禁ず(神様は可)」「ねんごろやごろ」「事実無根!」「(描き下ろし)これからも男子の立ち入りを禁ず!」「(描き下ろし)第三回攻会議」

感想:

1冊目の『言い間違いは聞き手の粗相』がすごく良かったので(わたしの中で)少しハードルが上がってしまっている案丸さん。習字教室のやつはイマイチだったのですが、自動車教習所舞台のオムニバスである本作は割と好きです。

  • 「免許皆伝」:熱血鬼教官(ややS)xちょっととろい大学生。教習所ネタなら一度は見たい「私の乗り心地はどうですか?」のセリフに興奮。
  • 「美しきだけかな」:教官同士で、不潔不遜攻xクールビューティー潔癖受。コメディタッチの作品多めの中で目立つダーク系です。黒髪短髪素直じゃない受の瀬戸が本コミックスで一番のツボキャラでした。しかもそんな瀬戸が飄々としつつ俺様な乾に無理やり汚され性癖暴かれてしまうのがたまりません。ただ、悲しいかなこれからというところで話が終わってしまうのです。案丸さん、ダーク系の短編はぶん投げて終わりがちなので、一度とことん描き切ったのを読んでみたいです。
  • 「男子の立ち入りを禁ず!(神様は可)」:神様x商人→転生後の大学生。神様からに淫乱体質にされ、しかもその体質が転生後も続いてしまっているかわいそうな康太。体の渇きを癒すのはたやすくてもなぜか誰も恋人にはなってくれない寂しい日々を過ごす中、ふとしたことから神様と再会。長髪攻はあまり好きでないので、神様がいつも人間擬態バージョン(短髪)でいてくれれば幸せになれるのですが。ちなみに康太の親友は「免許皆伝」の守くん。とばっちり食います。
  • 「ねんごろやごろ」:一見チャラい高校生(甥)x真面目なリーマン(叔父兼育ての親)という変形近親もの。血縁関係はありません。攻は子どもっぽさと腹黒さがいい感じに混ざり合っていて、受も好人物ながら内心計算高い部分もありそうなのでお似合いの2人だと思います。
  • 「事実無根!」:「男子の〜」で康太のビッチ体質のとばっちり(ちょっとだけ)食った守くんが先生におしおきされます。守くん、アホ可愛い。ごちそうさまでした。

濡れ場は各話きっちり入っており、健康的なエロさ。修正は局部トーン+白ペンで斜線を入れているパターンなのであまり気になりません。竹書房さんは是非とも白抜きやめて全部修正このタイプにしてください。