ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『信じてないからキスをして』火崎勇(イラスト:梨とりこ)

 

信じてないからキスをして (ガッシュ文庫)

信じてないからキスをして (ガッシュ文庫)

 

裁判員制度導入を睨んで、検察庁は美人を選んだって噂は本当だな」―捜査一課の刑事・加倉井の印象は最悪だった。綺麗な見た目に反して堅物と評判の新人検事・千条には、加倉井の揶揄う態度が許しがたい。その上、彼のいい加減な仕事態度は、検事としても千条の手を煩わせるのだ。だが、ある事件に関わったとき、加倉井が真剣なまなざしで協力を求めてくる。捜査をともにするうち、彼の真摯な姿勢を知る千条。やがて、加倉井を愛するようになるが…。クセモノ刑事×美人検事―恋に堕ちる瞬間。

収録作品:「信じてないからキスをして」(挿絵イラストあり) 

感想:

名前はよく見かける作家さんですが、初読でした。数ページ読んで「あちゃー」と思ったものの、テンポよく話は流れ、登場人物の行動や心理に無理もなく、お話としては良くできていました。俺様っぽい攻にクールビューティーで初心な受というのも好みですし、事件が恋愛のオマケ扱いではなくちゃんとストーリー上機能していたのも、BLの刑事(&検事)ものとしてはポイント高かったです。

だからこそ残念なのは……文章が拙いこと……。

そもそも自分がその仕事を選んだのは、子供の頃に見たテレビのニュースでのことだ。 

 やら

弁護士になるにはそこを卒業して何れかの弁護士会に所属すればなれるのだが、検事は狭き門。 

やら、冒頭からこういった文章がぼろぼろ出てくるので「あちゃー」だったわけです。作家さんもですが、編集さんももうちょっとお仕事できなかったのでしょうか。この方の他の作品を読んだことがないので、一人称だからあえてこういうタッチなのか(それにしたってエリート検事の独白がこれはひどい)、どの作品でもこういう文章なのかはわかりませんが、目が引っかかって引っかかって。

小説も試し読みしてからじゃないといけないな、最近BLも文章のこなれた作家さんが多いので気を抜いていました。とはいえストーリー自体は面白かったので評価が難しいところです。