ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『イノセント』イイモ

教師に導かれ体育倉庫に足を踏み入れた板野。そこで待っていたのは、めくるめく快楽だった……。激しいエロスの中で「純粋さ」と「美しさ」の本質を問う表題作ほか、童顔の高校生が電車内で繰り広げる痴態、正義感がアダとなり快楽に飲み込まれてゆく青年、本当はエロいお伽話など、エロ&読み応えを備えたハイブリッド実力派作家・イイモ、鮮烈のデビュー短編集!

 収録作品:「INNOCENT」「rose -INNOCENT-」「Restrain」「サナギ」「採集」「飼い犬の遠吠え」「平和の条件」、あとがき

感想:

初めて読む作家さんです。もともとウェブコミックスとのことですが、表紙が綺麗な割に中の絵柄は粗め、描写も直接的かつ即物的。攻のキャラクターはほとんど(ときには顔すら)はっきりせず、ただ襲われ開発される受だけにフォーカスされる描き方含め、一般的なBLではなく、男性向けエロの文法で描かれた作品集だと感じました。

細やかな画面や感情描写がお好みの場合は避けて通ったほうが良いかもしれません。あと全体的にショタっぽいので、ショタダメな人も要注意です。イタい、無理やり、愛なし、複数攻、モブ姦、媚薬、調教されて淫乱化。お薬で調教されて女装させられた挙句にデブでスキンヘッドのおっさんに買われる作品から、果てにはお仲間の動物に獣姦される桃太郎まで。こういうのお好きな方は確実にいるはずで、そういう方にとってはたまらないかと思います。でもわたしは……もう少しストーリーや愛のある普通のBLの方がいいかな……。

エロ満載な作品なのに白抜き+ボカシ入りで、視覚的にもそんなに過激さは感じられなかったのも中途半端に感じました。