ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『たぶん恋の話』大橋キッカ

こんな出会いじゃなかったらよかったのにね

彼女を同じ大学のイケメン・白坂に寝取られてしまった三波。怒りがおさまらない三波は、白坂がレンタル彼氏のアルバイトをしていることを知る。復讐しようと白坂をホテルに呼び出し、フェラを強要するが、後日、寝取られたというのが誤解だったとわかり――!? 

 収録作品:「たぶん恋の話」「君じゃないとだめみたい」「いつもとちょっとちがうこと」「想い想われ好き好かれ」「はじめてをちょうだい」

感想:

わたしの中では「なぜか登場人物の髪型がちょっと変」な作家さん*1に位置付けられている大橋キッカさん。すっきりと整った絵柄は今流行りな感じがするのですが、全体的になんかちょっと古臭いテイストが感じられるのは気のせいでしょうか。今回の表題作もテクノカット的な攻と微妙なウェーブ受で、なぜあえてこのビジュアルを、という疑問が捨てきれませんでした。単にわたしがサラサラヘア好きなだけで、世の若者にはこの手の髪型が大流行なのでしたらすみません。

絵もきれいでストーリーもそつないのに今一歩何か足りない。というのは大橋さんの別の作品(単話販売の電子書籍連載もの)を途中で脱落してしまったときと同じ感想です。オーソドックスな話をオーソドックスに描いていて、とりたてて足りないものもない一方でとりたてて際立ったものもないので、展開に興味が持てなくなってしまう。絵も整っているものの画面は白く描き込み不足が目立ち、かといって白さが個性や魅力といえるほどでもない気が。

基本は表題作シリーズ、その他読み切りで「想い想われ好き好かれ」「はじめてをちょうだい」が収録されています。どれも薄味ではあるのですが、登場人物の髪型が違和感ない(受がサラサラ黒髪のツンデレなのもポイント高し)というわけで「はじめてをちょうだい」が一番ツボでした。

全体的にエロはそれなり、局部白抜きなのでそちら目当ての方はご注意を。

*1:この分野の大御所にねこ田米蔵さんがいたのですが、最近普通になってきましたね。正直田舎のヤンキーヘアや坊ちゃん刈りにはあまり萌えないので嬉しいです。