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ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『こんなはずでは』阿弥陀しずく

ほのぼのBLの新定番。新入社員の安達は、黙っていれば背の高いイケメン君。されど中身はドジでテンポのズレた犬っころ。そんな安達が恋をしたのが先輩の森さんで、怒ると怖いけど、面倒見のいい31歳。バカな後輩がなんだかんだでかわいい森さんは自分に恋する安達に向き合い始め───? じれじれ、ほっこり、ニヤニヤ……すべてがここに。

収録作品:「こんなはずでは」「(描き下ろし)bonus track」「(描き下ろし)連動小話with『からっぽダンス』」、あとがき

感想: 

都心のオシャレな横文字っぽい会社でバリバリ働きデートは高級イタリアン、攻は夜景の見える高層マンション住まい……といったドリーム溢れるリーマンBLとは一線を画す、地味で現実味溢れるお仕事もの。素朴というか健康的というか、ジャンルの王道的な絵柄ではありませんがお上手ですし作風にも合っています。

年下攻の醍醐味である、攻の情けなさを思いっきり堪能。何かと泣く。森に奢ろうと思ったら金が足りない。変な嫉妬をする。仕事もしくじる。さんざん森にフォローされつつ、ムードが高まってもあっさり帰ろうとしたりと安達が持ち前の天然&鈍感で森を翻弄する場面も多々あるのがまた良いです。

中小企業の営業職で、社員旅行は日光で、飲みに行くのはチェーンの居酒屋で、家はしけた和室のアパート。部屋着はジャージ。冴えない日常に埋没していた森も、安達に恋されちょっとしたことにドギマギされたり嫉妬されたりするうちに日々の張り合いやときめきのようなものを思い出していくのが、あの年頃のリーマンとしてはリアリティあります。BLはキラキラじゃなきゃ!という鉄の意志を持つ方は別として、このじんわりキュンキュンくる感じ(そして日常の冴えなさにちょっとしんみりもする)は、ぐっとくる方多いんじゃないでしょうか。

濡れ場はあるけど控えめで。作風からしてもこの程度が適度だと思います。

 

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