ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『LOVEコンプレックス』鴨川ツナ

ネイティブな発音がいちいち腹立つな! ! !会社にデキる上司(帰国子女)がやってきた。笑顔がさわやかなイケメンで、周囲の人気は上々。 しかし俺は騙されない! ! ! ! ! 英語が流暢だろうが、仕事が出来ようが、ドSの変態野郎だってことを俺は知っている!

収録作品:「LOVEコンプレックス 1〜3」「レンアイ条約 第1〜3条」、あとがき

感想:

アンソロジーで好感を持った作家さん、早速単行本を読んでみました。収録されている2作品それぞれきれいにまとまっていて、画面もきれいです。

表題作「LOVEコンプレックス」は、一見イケメン中身変態のS攻x童貞地味受の王道。攻の鈴木は王子キャラかと思いきや「僕の結構大きいんですよ。向こうのゲイにも人気で『Japanese Fujiyama』なんて呼ばれてたんです」「そんなに僕のフジサンが欲しいんですか?」というネタ台詞連発によりアホ可愛い攻に属性変更。全体としてさらっと楽しむ以上のものを求めると厳しいですが「愛ある無理やりから始まるラブコメ」としては十分合格点。

個人的には後半に収録されていた、ホストxヒモ(司法浪人)の「レンアイ条約」の方が好みでした。基本ホストも長髪も好きじゃないので、最初は「これ、弁護士(受の友人)が略奪すればいいのに」と思っていたのですが、後半部分で攻と受それぞれの思いがしっかり描かれていて納得。とはいえ次はもうちょっとお堅い攻が出てくる話も読んでみたいです。

濡れ場は多めの割に描写はあっさりさわやか。修正が楕円白抜き(局部の周囲含めて大きめに白抜き)だったのはとても残念です。局部が見たいわけではなく、そもそも構図的に隠れているものはそれでいいんです。真っ白く消されて何がなんだかわからない画面になっていると興ざめしてしまうんですよね。竹書房さんのコミックスも、割と作品によって修正の濃淡に当たり外れがあって、買ってみるまでわかりません。

 

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