ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『日報群雲浪漫』真生るいす

人生をのんびり穏やかに過ごしたい巡査の日吉。そんな彼を悩ます人物が二人いる。一人は、世間を賑わす怪盗・蜘蛛。一人は、新聞記者で同窓生の三井。事件のたびに蜘蛛からは悪戯され、蜘蛛を捕り逃がしては、三井にその失態を記事にされる始末。それだけでも弱い胃を痛めているのに、なぜか二人から迫られて――。変態で大いに結構。人は誰しも心の中にそうした偏りを抱えているものだ。蜘蛛逮捕に奔走する警察官と記者の捕物奇譚!!

収録作品:「日報群雲浪漫(事件簿1〜9)」、番外「湯浴み」、電子版限定おまけ(1ページ漫画)

感想:

はっきり時代が明記されていませんが(そして歴史に弱いわたしには判別できないのですが)多分大正浪漫、かな。おっとり天然の巡査と友人の新聞記者三井、そして読み始めればすぐに正体はわかってしまう、何かと日吉に悪戯してくる怪盗「蜘蛛」。基本単話完結の怪盗コメディですが、鈍感な日吉と、図太くに見えて心は繊細?な三井の凸凹コンビは見ていて楽しいし、2人の距離が近づいていく過程が微笑ましくもあります。近代浪漫や乱歩っぽい怪盗ものがお好きな方ならはまるはず。

真生さんの作品の割に絡み(未遂も含め)も多めですが、ラフなタッチのせいもあってかそこまで色気は感じません。むしろ濡れ場ではない場面、例えば三井に顔を寄せられた日吉がどきっとする場面などがなんとも言えず良いな〜と思ったり。

ちなみに真生さんといえば「満員御礼」の下巻はどうなっているのでしょうか。完結したという噂はうっすら聞いておりますが、待てども待てどもコミックスが出ません。何か事情があるのでしょうか。上巻がいいところで終わっていただけに、いつまでもそっと待ち続けています。

ちなみに以下のアンソロジーに本作の番外編ショートが収録されています。

 

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