ぬかるみ読書録

電子書籍で読んだ商業BLの感想をぬるぬると更新するだけのブログ。

『無人島に持っていくなら』山田2丁目

憧れの人との6年ぶりの再会――高校時代、柔道選手だった一森の選手生命を奪うケガをさせた赤城。その償いに何度も体を許したが、彼の将来を想い酷い言葉を突きつけ別れたのだ。以来ずっと罪悪感を抱いていた赤城に、一森はなぜか笑顔で「居候させて」と、強引に同居を始めてしまうが――!?

収録作品:「無人島に持っていくなら(全4話)」、「ご主人様は子供のようだ(前後編、番外編)」、あとがき、カバー下

感想:

山田2丁目さんは以前から好きでほぼ作者買いしています。受が(たまに攻も)ちょっとやばいレベルで天然というか頭悪い感じの作品も多くて、その程度によっては引いてしまうこともあるのですが、この表題作はちょうどいい感じでした。

高校時代に気まずい別れ方をした好きな人との再会、わだかまりが解けて恋人になってから素直に気持ちを出せるようになるまで。こう書くと爽やかな話なのに、山田さんの漫画なので、妙なエロさというかフェティッシュさがそこかしこにあふれているのです。一森の真意がわからずどぎまぎしながらも、内心では強く求められることを願う赤城、高校時代の反省を生かして(?)赤城を逃がさないように策を練って近づく一森。モロな濡れ場もそこそこ多いのですが、うなじに顔を近づける仕草とか、マッサージとか、些細な場面も色っぽくて、全体的に良い意味でエロエロな印象が残ってしまいます。赤城、アホで変態だけど可愛いよ……!

併録「ご主人さまは子供のようだ」は、作者お得意の、頭弱い系王様(社長)と腹黒い配下(秘書)のコメディ。秘書をあの手この手で落とそうとする社長が可愛い……のか……このあたりは好みと相性の問題なのでしょうが、積極的すぎる受が苦手なので表題作の方が好きでした。自覚のない受が攻める気満々でアプローチするお話が好きな方はきっとこの作品もお好きでしょう。

ちなみにRenta!版では、接合部の修正が白い点や細い白線など、読んでいて違和感のあるレベルではなかったので、そういう意味でも満足。最近特に電子書籍は修正事情が厳しく、しかもサイトや作品によって修正具合のばらつきも大きいので読み手としてはもどかしいところ。真っ白で何が何だかわからなくなるくらいなら潔く年齢制限かけてほしいのですが売り手には売り手の事情もあるでしょうし、はあ。