『ねくたいや』歩田川和果

「告白したの憶えてる?」「……憶えてる。どこがよかったんだ」「全体。おまえと一緒にいるとしあわせを感じる」 永瀬は同僚で同期の有働に惚れていた。告白するものの「社内恋愛は嫌だ」とあっさりフラレてしまう。それから五年――有働が独立してネクタイ専門店「ねくたいや」を開業した。永瀬は有働に会うため「ねくたいや…